内外情勢調査会名古屋支部(支部長:大村秀章)5月例会に出席しました。
講師はふくおかフィナンシャルグループのチーフ・ストラテジストの佐々木融氏。「失われた30年と超円安のこれから」という演題でお話し頂きました。非常にボリュームのある講演だったのですが、興味深い点を紹介します・・・
①構造的な円安要因は⇒投資が日本に行われず、海外にばかり行われる
■日本は対外直接投資に比べて、対内直接投資が極端に小さい
■2024年は片道ベースの対外直接投資31.6兆円、ネットベースの対外直接投資29.1兆円と共に過去最高を記録
■トランプ政権となり米国への対外直接投資は今後も増加していくことが考えられる
◎石破首相はトランプ大統領との会談で、対米直接投資残高を2023年末時点の7833億ドル(117兆円)から1兆ドル(150兆円)に増やすと約束
◎ソフトバンクグループ=今後4年間で1000億ドル(15兆円)の投資を行う
■日本の対内直接投資残高の対GDP比はOECD加盟国38か国中で最下位
②日本の現在の労働市場の現実=時短と世代のミスマッチ
■2024年の就業者数は6781万人となり過去最高を記録。それなのになぜ人手不足になっているのか?
◎一人当たりの年間総労働時間は「24時間戦うこと」を求められていた1990年代と比べると20%も減少(1日当たり1時間40分程度)。その結果、就業者数は増えていても全就業者の年間総労働時間は1990年対比14%減
◎雇用者に占める55歳以上の割合は、1990年の14%から29%まで倍増。一方、20歳代の割合は1990年の24%から16%まで減少