「知的障害者が自立を実現するためにはどうすればいいのか?」「知的障害者にとって入所施設は必要なのだろうか?」という問いかけから制作された映画です。そしてアフタートークでは、この映画の監督小川道幸氏と障害を持ちながらも地域生活を現在送っておられる当事者との対談です。
「施設から地域へ」「生まれ育った地域で自分らしく生きる」という流れは2006年に障害者自立支援法が出来た時から始まったと私は認識しています。しかし今日の映画を見て、「あれから20年近く経っているのに未だにこうした問題提起をしなければいけないほど地域移行は進んでいないのだ・・・」と認識しました。
ただ一方で、私の所に寄せられる障害者家族からの相談で一番多いのは「私たちが高齢化して障害を持ったこの子の面倒を見られなくなった時のことが心配なので、入所施設を探したい」というものです。
こうした親としての本音の声があることが地域移行を遅らせている要因かもしれませんね。そういった意味では、これからも当事者の多様な意見を聞いて、多様な障害者サービスが提供できるようにすることが大切なことではないかと思います。