愛知県議会議員 神谷まさひろ

東陽町ホンネの日記

2021年4月27日(火)
夕方出席したある会議において、先日読んだ元犬山市議会議長のビアンキアンソニーさんの著書「1人から始める 議会改革」の要点を私が発表し皆さんで意見交換をしました。

発表した要点を更に項目を絞って紹介します・・・

◎フリースピーチ制度とは、現在は議員個人や会派単位で行っている「市民の具体的な声(要望や提案)を聞く」という作業を、オール市議会として行うこと
◎「議員間討議」条例に規定されていても実施されない→そこで委員会質疑の後、討論の前に委員長が「議員間討議を行います」と言うことにした→実際に行われるようになった(小さな改善)
◎いくら議会基本条例を作っても、議員の意識改革が図られなければ「仏つくって魂入れず」
◎議会は議論の場所と言われていますが、議員がお互いに議論できないことは日本の地方議会の大きな欠点の一つ
◎いっきにフリースピーチまで行かないのであれば、議員間討議の促進が第一歩
◎「チャンスをもらった。これを上手に活用しないといけない。何をやっても抵抗があるのだと計算しながら、議長としてやりたいこと、起こしたい改革を3つに絞り頑張ると決めた」→こうした改革の覚悟をもった議長が誕生したことが全てのスタート
◎これまでの議長の役割→名誉職に近い保守系の考えを持った方が就くポストで、議会が円満にスムーズに進むようにするのが仕事
◎ビアンキ=円満と円滑よりも、活発な議論をするように図るのが議長の役割・・・しかし、今までがそうでなかったので、どうやってやるか、いかに議長から押し付けられていると各議員に思われないようにするかがポイント
◎フリースピーチ→議長提案だから「まあ、やってみよう」、しかし、どんな失敗でも「やってみたが、もうやめよう」という議論材料に利用されかねない⇒多くの議員は渋々実施
◎「民主主義は市民の希望と参加で始まります」
◎制度の目的・・・定例会会期中に市民が議場で発言する機会を確保することにより、市民の議会への関心を高め、市民により身近で開かれた議会の実現に努めることを目的。市民から頂いた提案を全員協議会などの議論の中で熟慮し、適切にアクションします。市民の発言により議会が動く、行政と協力して改善を図れば、市民は肌で草の根民主主義のプロセスを感じます。市民・行政と議会の役割は明確に見えるし、プロセスに参加する価値も実感します。
◎フリースピーチは「完全な議会の行事」→市民が発言する時に市長や行政側の人間を呼んでいない
◎定例会中における全員協議会・・・この中で、一般質問と本会議における議案質疑のやり取りを議員間で話す時間を設けている
◎授賞式における審査員のフリースピーチ評価「①議場の意味を変えた。議場は議員だけのもの、あるいは議員の執行機関であったものが、市民が関わって討議出来る空間になった ②市民の提言を活かして議会力につなげた ③主権者教育に意義がある(提言する市民が勉強をする)」
◎令和2年2月現在、6回実施、34人の発言、毎回傍聴席は満席⇒民主主義のプロセスが身近なものになった
◎フリースピーチの実施により→議員のレベルアップ、議会の機能向上と独立性、議員にとって市民の発言は参考になるし、議員の意識を高めることになる。フリースピーチの内容について本会議や常任委員会で言及(50回以上)。議員同士の議論が深くなるし、対応も早くなる
◎以前に比べ「議員活動」はだんだん活発になって来たが、「議会活動」はまだまだ不十分
◎議員同士が話し合う習慣・場所や時間がない
◎議会の使命は何か?⇒市民のために役に立つこと
◎『前例より前進』
◎「議会改革」という言葉よりも「議会の機能向上」が言葉としては適切
◎機能する議会になるための3つのポイント
  ①議員間討議の推進と活用
  ②議会の政策立案と政策提言力向上
  ③市民参加
◎「議員間討議」・・・①全員協議会において一般質問と議案質問に関する議員間討議    ②委員会での議員間討議←刈谷市議会でもこれはルール上存在する
◎議会の3Tマネージメントモデル
「T1 取り上げ」⇒「T2 討議」⇒「T3 提案」

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